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「コウセイ」「更正」「更生」「校正」
2019/12/25
確定申告も近くなってきました。税理士会でも、「消費税軽減税率に対応した申告方法」など確定申告向けの研修がありました。会場入口では、「わかりやすい所得税の確定申告」などの参考図書の販売があり一冊購入しました。
懐かしい本です。国税局の所得税課勤務時代に作成に携わったことを思い出します。今では800ページ程のぶ厚い本になりましたが、かつては、その半分くらいの厚さで、軽量で、コンパクトなものでした。消費税の導入や確定申告書の記載例、図表を追加したことでページ数が増えました。わかりやすくなった反面、相当なボリュームになってしまったのです。
作成に当たっては、誤字、脱字がないか、相当チェックしましたが、残念ながら誤りが出てしまいました。目次に『修正申告と更正の請求』という項目がありますが、そこで「更正の請求」とするところを「更生の請求」と誤って作成されてしまいました。
「更生」と「更正」は、どちらもコウセイと読む同音異義語ですが、国語辞典によれば、【更生】立ち直る、【更正】誤りを正すとあります。特に税務用語である「更正」は、税の申告に誤りや不備があった場合に、税務当局がその誤りを正すことです。
何度も、何度も、人を変えてチェックをしましたが、完成品に誤りが出てしまいました。
ちなみに、作成段階のチェックを「校正」(ここでも「コウセイ」)といいます。一次校正、二次校正と、校正刷りされたものと原稿とを照合し、文字や内容の誤りを正し、体裁を整えますが、やっぱり人間です。完璧を目指してもどこかでポカが出てしまいます。
ところで、ネット上ではいろんな団体や研究会が研究成果を発表しているサイトがあります。私も税法判例などを閲覧し、重宝していますが、ある研究会の発表論文の索引に、「更正の請求」とすべきところを、「更生の請求」と記載されていました。それも数件どころか、論文のすべてが誤っていました。税法や判例研究では「権威」と言われる一流の先生が主宰している研究会です。誤りをこのまま放置しているのはいかがなものか…。誤りをメールで連絡しました。数日ですべて訂正されましたが、お礼ともに「構成」という誤りもあった旨のメールも受け取りました。
これから年が改まりますが、意外と多いのが日付の誤り。いつまでも令和元年ではありません。オリンピックの年2020年も始まります。文書を作成したら一呼吸おいてチェックすることが大切です。パソコンでの文書作成も要注意。以前作成した文章を上書きして作成すると、「元年」のままということが多分にあります。
この文書で誤字、脱字がありましたらお許しを。それではよいお年を!